うまく噛めない人集まれ [咀嚼・噛む]
噛めない事の原因は歯がないこと(欠損)だけではありません。
長い間まともに咀嚼をしていないと咀嚼機能も衰えます。これは廃用性の機能障害のひとつと考えられます。
従って、義歯だけ作っても、しっかり噛む訓練(リハビリ)をしないと使えません。噛む訓練では、咀嚼筋(咬筋、側頭筋など)を左右均等に動かす訓練などを行います。
最近ではインプラント(人工歯根)が普及していますが、これも歯の欠損を補うものの一つにすぎません。
しっかりした上下歯列の咬合関係と咀嚼機能がなければ、うまく噛めないこともあります。
このようなときは補綴歯科専門医にご相談下さい。
・日本補綴歯科学会( http://www.hotetsu.com/ )
糖尿病と食事 [咀嚼・噛む]
このシンポジウムを主催した日本糖尿病協会の「さかえ」平成20年12月号には「食事はおなかを満たすだけのものではなく、楽しみでもあるからです。楽しい食事は、楽しい会話とともに気分をゆったりさせ、これからの活力を生み出す時間になるのです。」(東京女子医大教授・内潟安子)という記載がありますが、その楽しい食事を支えるそしゃく(咀嚼・噛むこと)は生活習慣病の改善や肥満の防止にも効果があるといわれています。補綴歯科の専門医として噛むことの効用をまとめます。
①食べ物本来の味がわかり、おいしく味わえる
②口や顎、顔の発育を促進する
③唾液の分泌を促進する
④胃腸の働きを促進する
⑤栄養素の吸収を助ける
⑥肥満を抑制する
⑦脳の血流を促進する
⑧歯・歯ぐき・歯の周りの骨を強くして、これらにかかわる病気を予防する
⑨食物中の発ガン物質の発ガン性を弱める
⑩全身の運動能力を向上させる
⑪骨粗鬆症を予防する
⑫QOL(生活の質)を向上させる
これらを見みると、口から食べることに加えて良く噛む(咀嚼する)ことが全身のリハビリテーションにとって重要であることがわかります。咀嚼障害は早め治療して楽しい食事を楽しんでください。一口30回噛むことを目標に・・・
詳しいことは、日本補綴歯科学会 http://www.hotetsu.com/
糖尿病シンポジウムin高知 [咀嚼・噛む]
11月24日(月・休日)にパネリストとして参加しました。歯周病と糖尿病の関係のほかに、よく噛む(よく噛める)ことと糖尿病との関係についてお話ししました。まとめを「ひみこの歯がいーぜ」(学校食事研究会)の語呂合わせでまとめました。
「ひ」 肥満を防ぐ
よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。
よく噛まずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太ります。
よく噛むことこそダイエットの基本です。
「み」 味覚の発達
よく噛むと、食べもの本来の味がわかります。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。
できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。
「こ」 言葉のの発音がはっきり
歯並びがよく、口をはっきり開けて話すと、きれいな発音ができます。
よく噛むことは、口のまわりの筋肉を使いますから、表情がとても豊かになります。
元気な顔、若々しい笑顔は、あなたのかけがえのない財産です。
「の」 脳の発達
よく噛む運動は脳細胞の動きを活発化します。
あごを開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養を送り、活性化するのです。
子どもの知育を助け、 高齢者はボケ防止に大いに役立ちます。
「は」 歯の病気を防ぐ
よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。
この唾液の働きが、 虫歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり、
細菌感染を防いだりして、 虫歯や歯周病を防ぐのです。
「が」 がんを防ぐ
唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれ、
それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的なのだとか。
「ひと口で30回以上噛みましょう」 とよく言いますが、よく噛むことで、がんも防げるのです。
「い」 胃腸の働きを促進する
「歯丈夫、胃丈夫、大丈夫」と言われるように、よく噛むと消化酵素がたくさん出ますが、食べものがきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となりがちです。
偏食なく、 なんでも食べることが、生活習慣病予防にはいちばんです。
「ぜ」 全身の体力向上と全力投球
「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたいときに、
丈夫な歯がなければ力が出ません。
よく噛んで歯を食いしばることで、力がわき、 日常生活への自信も生まれます。